土ものには水を。
2009,09,08
今日の宮崎県のお天気は快晴。夕方の陽の光が、まるで明治大正期を思わせるロマン灯のごとく、美しく店内に降り注ぎます。せっかくなので模様替えでもしてみましょうか、と重い腰を上げ、先日入荷したばかりの箪笥に目を向けました。高値の材ではないけれど、深茶色の木目が良い味わいを出し古風な飾り棚となりそう。ここに何が似合うだろう、と考えるのも骨董収集の醍醐味。熱い緑茶を飲みながら、まったりと理想図を思い巡らせます。
思い悩んだ末、土ものに決めました。「いずれは土ものにかえる」といわれるほどの独特の風合いと味を持つ土ものは、使っていくうちに色に深みが出、艶が増して味わい深くなります。実用本位と思わせる自然体がいさぎよく、素朴な中に作家の配慮がうかがえます。装飾過多の現代だからこそ、お部屋に1つ飾りたい素朴な名品。奥にしまい込んでいた自然釉の壷をそっと置いてみます。

黒陶に施された自然釉が大変美しい百済の壺。均等のとれた幾何学的な絵図の彫りが独創的で、しかも重厚な佇まいを見せます。装飾にも成形にも多彩な技法が駆使されている見事な逸品。大切なお客様をお迎えするのに十分すぎるお品です。
ところで、土ものを美しく飾るには簡単なコツがあります。

土ものは水に漬ければ水を吸い、酒を入れれば酒を吸って馴染んでいきます。乾いたままだとみずみずしさが出ないので、花を活けないときでも水を入れておくといいでしょう。更に、土ものは手や鼻のあぶらでさえも味わい作りになると言われるほど。飾るばかりではなく、とにかく見て触れて楽しみましょう。

お水を入れると磁肌の色が深みを増し、みずみずしく美しく生き返ります。草花と同じですね、自然のものと水はとても相性が良いのです。
さて、ついでにお庭に水でも撒いてみましょうか。









