佐土原人形の見分け方
土の素朴さと温かい彩りが特徴の佐土原人形。当店は、この佐土原人形が生まれた土地、宮崎県の佐土原町にございます。佐土原人形の歴史は大変長く、およそ400年前、島津開藩の時藩主が陶工を迎え入れ日向の国佐土原の城下町に育ったものと言われています。
私の亡き父、田村五平次は骨董品や古民具を好み、何かにつけ買い集めておりましたので、幼い頃から家にはたくさんの土人形が並んでおりました。その中でも特に大事にしていたのは、佐土原人形。父はこの土地を愛し、この土地が生み出すモノたちを大切に守っていたのです。もちろん、幼い私にはフワフワと可愛らしいぬいぐるみのほうが数倍魅力的に見えましたので、土人形を気に留めることもなく ” 父の部屋にあるヘンな飾り物 “ として、少しずつ人形の存在を忘れていきました。それから10年、20年が過ぎ、人形たちはひっそりと静かに父の書斎で眠り続けます。

父が亡くなり数年の月日が経ち、ひょんなことから私は骨董品を集めはじめました。藍色の美しい染付け器、鉄瓶、中国の伝統香炉など、気に入ったものから次々と手に入れました。父の教えを受け継いだのか、血筋なのか、よく分かりませんが、私は父と同様古い物をとても愛し始めていました。週に一度は骨董市や収集家の家に出かけ、歴史が生んだ名品たちに涎をたらします。ある日、とある収集家の方の家に並ぶ、数体の土人形が目に入ってきました。ほんわりと心温まる安らぎ、力強くも美しい存在感、この感覚は何だろう。衝動的に、これはどこの土人形ですか?と聞くと、

と、。
私の生まれ育った町が、こんなにも素晴らしい名品を生み出していたなんて。当時の父の年齢になった今、私ははじめてこの人形の美しさを理解したのです。所の神様ありがたからず、ですね。
佐土原人形 歌舞伎物 (推定制作時期:明治)
さて、それから私は佐土原人形の歴史や種類について調べ始めるわけですが、たくさんの土人形と向き合い土職人と話していくうちに、面白い事実が分かりました。全国には佐土原人形に似た土人形がたくさん存在し、正真正銘の佐土原人形は大変少ないということです。特に玄人が好む歴史あるお品になると、なかなか手に入りません。佐土原人形のルーツは朝鮮ですから、当然似たようなものが存在することはありうるわけですが、見分け方が大変難しい。そこで、職人から伺った佐土原人形の見分け方をここでご紹介いたします。

*こちらは、佐土原人形館の店主から伺った内容です。佐土原人形に個体差があり、必ずしもすべての項目を満たすとは限りませんのであらかじめご了承ください。
世の中には「変わる美しさ」と「変わらない美しさ」が存在します。父が愛した佐土原400年の歴史、これは紛れもなく「変わらない美しさ」であり、守り抜くに値する芸術品です。健やかに気高き佐土原の伝統がこの先もしっかりと根を張り、次の世代で生き延びていくのをこの目で見守っていきましょうか。
手作業の温かい仕事 土人形5,250円から










